私の持ち物の中で最も高価なモノ。
それはエルメスのケリー。
サイズは、おそらく32。
素材は、、、よくわからない(汗)
色はキャメル。
10年以上前にパリの本店で購入した。
その購入の機会は突然にやってきた。
それはヨーロッパ旅行へ行った際にパリ在住の親戚と待ち合わせしてランチをしていた時のことだった。
親戚がバーキンを持っていたので「実はケリーかバーキンのどちらかが欲しいんだよね」という話をすると「本店のバッグの責任者が知り合いだから、今からお店に行って在庫の確認だけでもしてもらいましょう!」とエルメス本店へランチをしたその足で向かうことになった。
親戚の知り合いであるバッグ担当の方にバーキンorケリーどちらが良いか相談したところ「バーキンは重くて使いづらいからケリーの方がいいわよ。バーキンは重いから一番小さいサイズが良いんだけど、それだとあまり荷物が入らなくて意外と使わないのよ」という助言をいただいたので、一応ケリーの店頭在庫を見せていただくことに。
内縫い、外縫い、どちらがいいの?
え?なにそれ。
どうやら、バッグの外側の縫い目のことらしい。
外縫い
縫い目が見える状態で縫われている。
皮をピンと張った状態で縫うため、四角ばったフォルムになるのでかっちりした印象。フォーマル使用向き。
内縫い
内側からステッチが見えないように縫い付けられている。
縫い目をバッグの生地に織り込んでいるので、レザー本来の美しさを堪能出来る。
また、皮を内側に縫い込むのでやや丸みを帯びたフォルムの為、女性らしい印象でカジュアル使いにもしやすい。
フォーマル使いはごく限られた時のみで、主にカジュアルに持つ機会が断然多いので、内縫いの在庫を確認していただくと、黒のボックスカーフに金色の金具のものが一点とキャメルのマットなレザーにシルバーの金具のものが一点。どちらも出してきてくださって鏡の前で悩むこと30分。
当時30代になりたてのわたしには、黒のボックスカーフに金色の金具は大人すぎた。
キャメルのマットレザーにシルバー金具のそれは、丁度いい具合。しかも着ているトレンチコートにもピッタリ似合う。
「これにします。」
え!?在庫の確認しに来ただけじゃないの?
一緒に店に出向いた夫は、そう思ったらしいが黙っていたらしい。
更に、価格を聞いてビックリ。
エルメスって高過ぎんか?なんでなん?なんでそんなに高いん?
でも買うって言ってるし今更引き下がれない。
オレンジのボックスに入れられリボン掛けされていく、お鞄。
震える手でカードサインと免税手続き用の書類にサインをしつつもウキウキな妻。
「これで、あと10年くらい頑張れるよね。うん。」無理矢理、自分を納得させる夫。
↑なにを頑張るのか、よくわからない。私になにを頑張って欲しいのか、いまだに謎のまま。
購入価格は2008年当時€4,000くらいだったと思う。
円安だったので€1=¥165前後だったから、円換算するとおよそ¥650,000-
確かに高い買い物だったので、夫の金銭感覚は正しいと思う。
日本のエルメスでは、当時から店頭でケリーやバーキンと出会える確率はほとんとなく、運よく予約できたとて手に入るのは数年待ちという状況だったのだから、いきなり目の前に超どタイプのモノが出てきたら飛びついてしまうのは致し方ない。
にしても、高価すぎる買い物だったので数ヶ月間は「本当に買ってよかった?」と自問自答していた。
目の前のバッグは間違いなく満足のいく品物だし、眺めるだけでうっとりするような美しさ。
でも、本当に必要だったのか?もっと手頃なバッグを流行りに合わせて買い換えた方が良かったんじゃないの?さまざまな想いが脳内を駆けめぐる。
「買っちゃったよ〜」
ステキなバッグを手に入れた嬉しさと若干の“やっちゃった感”を感じながら過ごした。
夫には何度も手に入れた喜びと共に、どれだけ貴重な鞄なのか。価格の妥当性。一生の相棒として付き合っていく気合い(笑)色々な角度から購入したことの正当性を力説した。と同時に自分自身に向けても購入を正当化し肯定するために。
さまざまな角度から話したものの、夫を一番納得させたのは丸の内店で見かけたケリーバッグの価格がパリでの購入価格を数十万円ほど上回っていた事実だった。結果、お得に購入出来たということでお互いに納得できる満足なパリの思い出の買い物となった。
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